○八代生活環境事務組合談合情報処理要領
平成15年5月23日
告示第8号
第1 趣旨
組合が発注する工事の入札の適正を期すとともに、入札談合に関する情報(以下「談合情報」という。)に対して的確な対応を行うための手続について定めるものとする。
第2 総則
1 公正入札調査委員会の設置
工事を発注する総務課に公正入札調査委員会(以下「委員会」という。)を置くものとする。
2 情報の確認
(1) 入札に付そうとする(付した)工事について談合情報を受けた者(知り得た者)は、当該情報の提供者に対して次に掲げる事項を確認の上、直ちに委員会の事務を担当する総務課(以下「事務局」という。)に報告するものとする。
① 情報提供者の氏名、連絡先
② 工事番号、工事名
③ 発注機関名
④ 入札(予定)日
⑤ 落札予定業者名、落札予定金額
⑥ 談合が行われた日時、場所
⑦ 談合に関与した業者名
⑧ 落札予定業者の決定方法
⑨ その他必要事項
なお、新聞等の報道により談合情報を把握した場合にも、同様に取り扱うものとする。
(2) 談合情報の提供者が報道機関である場合には、報道活動に支障がない範囲で談合情報の出所を明らかにするよう要請するものとする。
3 委員会の招集及び審議
(1) 事務局は、2(1)により報告を受けた場合には、談合情報報告書(第1号様式)を作成し速やかに委員会を招集し、報告を行うものとする。
(2) 委員会は、4に掲げる判断事項を基に談合情報の信ぴょう性及び第3以下の手続によることが適切であるか否かについて審議するものとする。
4 談合情報に関する信ぴょう性
信ぴょう性があり調査を必要とする談合情報であるか否かについては、次の事項を総合的に勘案し、判断するものとする。
(1) 談合情報の提供者
① 提供者の身許情報
② マスコミからの通報、問い合わせ等の情報
(2) 談合に関する具体的な内容
① 談合の日時
② 談合の場所
③ 談合の参加者
④ 談合の対象工事名
⑤ 談合の経緯
⑥ 談合の結果(落札業者、落札金額)
(3) 談合が行われたことを推定させるような談合情報以外の周辺情報
5 公正取引委員会への通知
委員会の審議を踏まえて、調査の必要があると判断した情報及びその対応については、手続の各段階において公正取引委員会へ通知するものとする。
6 警察への通知
委員会の審議を踏まえて、談合の事実があったと認められる証拠を得た場合は警察へ通知するものとする。
7 報道機関等との対応
談合情報を事務局が把握した以降において、報道機関等から発注者としての対応についての説明を求められた場合には、原則として、事務局が対応するものとする。
8 委員会の設置に関し必要な事項は、別に定める。
第3 各論
談合情報があった場合には、原則として、次に従い対応するものとする。
なお、詳細な手続は、第4に従い行うものとする。
1 入札執行前に談合情報を把握した場合
(1) 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要がないと判断した場合は入札に参加しようとする者(以下「入札参加者」という。)全員から誓約書(第2号様式)を提出させるとともに、入札執行後談合の事実が明らかと認められる場合には入札を無効とする旨の注意を促した後に入札を行うものとする。
(2) 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要が有ると判断した場合は、以下の手続によるものとする。
① 事情聴取
入札参加者全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(第3号様式)を作成すること。
事情聴取は、入札までの時間、発注の遅れによる影響を考慮して、入札日の前の日までに行うか、又は入札開始時刻若しくは入札日の繰下げにより入札を延期した上で行うこと。
② 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
ア 事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、八代生活環境事務組合競争契約入札心得第6条を適用し、当該入札参加者を入札に参加させず、又は入札の執行を延期し、又は取り止めることができる。
イ 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第5号様式により警察へ通知すること。
③ 談合の事実があったと認められない場合の対応
ア 事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、すべての入札参加者から誓約書を提出させるとともに、入札執行談合の事実が明らかと認められた場合には入札を無効とする旨の注意を促した後に入札を行うこと。
イ この場合、すべての入札参加者に対し、入札に際し工事内訳書の提出を求めること。
ウ 入札には、積算担当者(当該工事の積算内容を把握している職員)が立ち会い、工事費内訳書を点検すること。
エ 工事費内訳書の点検において、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には無効とし、②により対応すること。
④ 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第4号様式により公正取引委員会へ通知すること。
2 入札執行後に入札談合に関する情報を把握した場合
入札執行後に談合に関する情報があった場合には、入札後においては入札結果を公表している場合、落札者及び落札金額は既に閲覧に供されていることに留意しつつ、以下の手続によることが適切か否かを第2の3により判断するものとする。
(1) 契約(仮契約を含む。)締結以前の場合
① 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要がないと判断した場合は、入札を行った者全員からの誓約書を提出させた上、落札者と契約すること。
② 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要が有ると判断した場合は、以下の手続によること。
ア 事情聴取
入札を行ったもの全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(第3号様式)を作成すること。
イ 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第4号様式により公正取引委員会へ通知すること。
ウ 談合事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
(ア) 事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、八代生活環境事務組合競争契約入札心得第7条第7号を適用し、入札を無効とすること。
(イ) 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第5号様式により警察へ通知すること。
エ 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、入札を行ったもの全員から誓約書を提出させた上、落札者と契約を締結すること。
(2) 契約(仮契約を含む。)締結後の場合
① 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要がないと判断した場合特別な対応はしない。
② 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要が有ると判断した場合は、以下の手続によること。
ア 事情聴取
入札を行ったもの全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(第3号様式)を作成すること。
イ 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第4号様式により公正取引委員会へ通知すること。
ウ 談合事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
(ア) 事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、着工工事の進捗状況を考慮して、契約を解除するか否かを判断すること。
(イ) 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、第5号様式により警察へ通知すること。
エ 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、特別な対応はしない。
第4 雑則
第3に定める事情聴取等の手続においては、次に掲げる事項に留意して行うものとする。
1 事情聴取の方法等
(1) 事情聴取は、委員会の会長が指定した者による複数の職員により行う。
(2) 事情聴取は、事情聴取者の対象者全員を1社ずつ個別に呼び行うこと。その際は、公正取引委員会及び警察へ通知する場合もある旨伝えた上で必要事項について聞き取りを行うこと。
なお、共同企業体の場合については、構成員を個々に事情聴取を行うこと。
2 誓約書の提出等
(1) 事情聴取後に提出させる誓約書については、公正取引委員会及び警察へ通知する場合もある旨を通知した上事情聴取の対象者から自主的に提出させること。
(2) 「入札執行後談合の事実が明らかと認められる場合には入札を無効とする旨」の注意を促す場合は、別紙1を参考として注意事項を読み上げること。
3 工事費内訳書の点検
工事費内訳書の点検に当たっては、入札に際し、積算担当者が立ち会い、入札において、全入札者が入札書を入札函に投入した後に、工事内訳書の提出を求め、談合の形跡がないか入念に点検し、開札するものとする。
なお、事情聴取、工事費内訳書の点検を迅速に行う必要がある場合は、事情聴取と工事費内訳書の点検を並行して実施することができるものとする。
附則
1 この要領は、平成15年6月1日から施行する。
附則(平成17年告示第12号)
この要領は、平成17年8月1日から実施する。
別紙1
入札執行に係る注意事項
1 本件入札について談合があったとの通報があったが、八代生活環境事務組合競争契約入札心得を遵守し、厳正に入札すること。
2 入札執行後談合の事実が明らかと認められた場合には、八代生活環境事務組合競争契約入札心得第8条により入札は無効とする。